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サウナに行くと、「サウナ室→水風呂→休憩」という流れをよく耳にします。公益社団法人日本サウナ・スパ協会は、この流れの前に「水分補給」を加えた4つのステップを、「ととのう2.0」という新しいルーティンとして提唱しています。
この記事では、日本サウナ・スパ協会の「ととのう2.0」のページと、消費者庁のニュースリリース「サウナ浴での事故に注意 - 体調に合わせて無理せず安全に -」(令和6年6月5日)をもとに、4つのステップと、安全に利用するための注意点をまとめました。
※体調や持病が気になる方は、利用前に主治医に相談してください。この記事は、サウナの健康効果を約束するものではありません。
ととのう2.0とは
協会が提唱する新ルーティン
日本サウナ・スパ協会のページでは、協会はサウナ施設での事故予防に取り組み、『サウナの安全管理ガイドブック』を発行している、と紹介されています。
さらに、サウナ施設での事故の多くは、温度変化や発汗をきっかけとした「立ちくらみ」による転倒や体調不良によるもので、事故予防にはサウナ前の水分補給が効果的だ、とされています。そこで、サウナ愛好家に広く浸透している「サウナ室→水風呂→休憩」で「ととのう」というルーティンに水分補給を加え、「水分補給→サウナ室→水風呂→休憩」を1セットとした新ルーティンを「ととのう2.0」として提唱しています。
| 項目 | 従来のルーティン | ととのう2.0 |
|---|---|---|
| 1セットの流れ | サウナ室→水風呂→休憩 | 水分補給→サウナ室→水風呂→休憩 |
| ステップの数 | 3 | 4 |
協会の調査の数字
協会のページでは、サウナ愛好家を対象にした調査(日本サウナ・スパ協会「『ととのう』と水分補給の実態調査2025年」、インターネット調査、20〜60代男女1,800人)の結果が紹介されています。
| 回答の内容 | 割合 |
|---|---|
| サウナ室に入る前に水分補給をした人のうち、「普段よりもさらに深くととのう」と回答 | 76% |
| その76%の人のうち、「より多く汗をかくことができる」 | 50% |
| 同じく、「より身体に負担なくサウナを過ごすことができる」 | 43% |
| 同じく、「よりサラサラの汗をかくことができる」 | 41% |
これはアンケートで「感じたこと」を聞いた結果です。誰にでも同じことが起きる、という意味ではない点に注意して読みましょう。
ととのう2.0の4つのステップ
ここからは、協会のページと消費者庁の注意点を合わせて、4つのステップを順番に見ていきます。
1. 水分補給
協会のページでは、人が一度の水分補給で吸収できる量は200ml程度といわれ、一回のサウナ浴で出る汗の量は約300〜600mlとされています。そのため、サウナに入る前と、サウナから出た後にも、200ml程度を基準としたこまめな水分補給を行い、トータルとして発汗量を上回る水分量を摂取することが大切だ、と説明されています。
消費者庁のリリースでも、入浴前の体調確認やこまめな水分補給などを忘れずに、と呼びかけられています。水分を摂らずに我慢して長時間サウナ室に入ると、体温が上がりすぎて熱中症になる可能性がある、とされています。
| 協会の目安 | 数字 |
|---|---|
| 一度の水分補給で吸収できる量 | 200ml程度といわれる |
| 一回のサウナ浴で出る汗の量 | 約300〜600ml |
| 水分補給のタイミング | サウナに入る前と、出た後 |
2. サウナ室
消費者庁のリリースでは、サウナ室の多くは室温が50〜100℃に設定されている、とされています。サウナ室内は座る位置によって温度が異なり、出入口付近は温度が下がりやすく、サウナヒーター付近は高温になっています。室温100℃のサウナ室では、上段が最も温度が高く、中段が70〜80℃、下段が50℃付近であるとの調査結果がある、と紹介されています。また、サウナ室内の温度計は設置されている位置での温度を表示していて、サウナ室全体の温度を示しているわけではない、とされています。
同じリリースでは、サウナ室に入る前はシャワーで体を流すなどして、徐々に体を温度に慣らしましょう、と呼びかけられています。入浴時間や温度は、自身に合ったサウナの利用方法を見つけましょう、とされています。
3. 水風呂
消費者庁のリリースでは、サウナ室から出てすぐに水風呂に入るといった急激な温度変化を伴う行為は、いわゆるヒートショックのような状態を自ら起こすことにもつながり、大変危険だとされています。水風呂に入る前もシャワーで体を流すなどして、徐々に体を温度に慣らしましょう、と書かれています。
また、水風呂が苦手な方や入ると体調が悪くなるといった方は、無理に水風呂に入る必要はなく、自身の体調に合わせ、サウナ浴と外気浴を交互に行うなどの入り方も検討しましょう、とされています。
4. 休憩
消費者庁のリリースでは、サウナ浴後に水風呂に入り、その後外気浴を行うという入浴方法を何回か行い、爽快感やリラックス効果を得ることを目的にサウナを利用する人もいる、と紹介されています。
休憩の場所へ移るときは、床が濡れていることがあります。消費者庁の事故事例には、サウナから出たところで頭がくらくらし、足を滑らせて転倒した例も載っています。休憩のための移動も、ゆっくり行いましょう。
消費者庁が伝える事故の状況
事故の件数
消費者庁のリリースによると、事故情報データバンクには、サウナ浴に関する事故情報が78件登録され、受傷者数は82人となっています(令和6年4月末日時点)。年度別に見ると、2014年度から2021年度までは平均して4件程度でしたが、2022年度と2023年度はそれぞれ10件となっています。
事故が起きた場所と受傷内容
| 事故が起きた場所 | 受傷者数 |
|---|---|
| 入浴施設 | 45人 |
| 宿泊施設 | 15人 |
| スポーツ施設 | 13人 |
| 住宅(家庭用サウナ) | 4人 |
| 屋外(アウトドア) | 2人 |
| 不明 | 3人 |
受傷内容は、「やけど」が31件、「切り傷・擦り傷等」が24件、「骨折・打撲」が14件の順に多く、受傷内容が不明な2人を除くと、これらの合計が全体の約9割(86.3%)を占めている、とされています。
年齢による違い
受傷者の年齢は、「40〜59歳」が28人、「60〜79歳」が25人で、年齢が不明な11人を除くと、合わせて全体の約7割(74.6%)を占めています。40歳未満の受傷内容は「やけど」や「切り傷・擦り傷等」などの外傷がほとんどであるのに対し、40歳以上では外傷のほか「めまい・意識障害」や「循環器障害」なども含まれている、とされています。
サウナ室で気をつけたいこと
掲示されている注意事項を読む
消費者庁のリリースでは、サウナ営業施設には入浴上の注意事項が書かれた標示が掲示されていることが多く、それらのルールを守り、安全な利用を心掛けましょう、とされています。注意事項の例として、次のものが挙げられています。
| 注意事項の例 |
|---|
| 我慢をするなど無理なサウナ浴は控えること |
| コンタクト・メガネ・金属類を外すこと |
| 可燃物や電子機器類を持ち込まないこと |
| 段差に注意すること、ベンチから飛び降りないこと |
| サウナストーブや照明等の温度の高い部分には触れないこと |
やけどに注意する
照明機器や出入口扉の窓ガラスは高温になっているものもあり、触るとやけどする可能性がある、とされています。身につけている金属製の装飾品やロッカーのカギが熱くなる可能性もあります。セルフでロウリュができる施設では、サウナストーブに一度に大量の水をかけると蒸気が大量に出てやけどをすることも考えられるため、ロウリュの方法をあらかじめ施設に確認の上、行いましょう、とされています。
出入りは落ち着いて
サウナ室内や出入口付近は濡れて滑りやすくなっている可能性があります。扉の構造によっては反対側が完全には見えないこともあり、反対側にいる人にけがを負わせてしまう可能性もある、とされています。熱いと思って勢いよく出るような急な行動は避けましょう。
異変を感じたら知らせる
サウナ室内で自分の体調に異変を感じたり、周囲の人におかしな様子が見られたりした場合は、非常用ボタンを押すなどして周囲の人や施設の従業員に知らせましょう、とされています。非常用ボタンが設けられていない家庭用サウナ設備を使用するときは、周りの人に声をかけてから使用するようにしましょう、とも書かれています。
入る前に確かめたいこと
消費者庁のリリースには、別紙として、東京都市大学人間科学部の早坂信哉教授(医師・温泉療法専門医)による「サウナを安全に利用するための注意事項について」というコメントが付いています。ここでは、入浴前の注意事項を中心にまとめます。
利用を避けるとき
コメントでは、サウナは体に強い温熱刺激を与えるため、次のようなときは利用を避けます、とされています。
| 利用を避けるときの例 |
|---|
| 体調のすぐれないとき |
| 病気の活動期(特に熱のあるとき) |
| 少し動くと息苦しくなるような重い心臓または肺の病気 |
| むくみのあるとき、目に見える出血があるとき、身体衰弱のとき |
| 食事の直後、運動の直後 |
| 飲酒後(二日酔いも含む) |
その他、慢性の病気が急に悪化してきたとき、脳卒中後や心臓疾患、高血圧で治療中の人、妊娠中の場合の利用は、主治医に確認してからにしましょう、とされています。
入る前の水分と貴金属
コメントでは、サウナは汗をかくため、入浴前にコップ1〜2杯の水分を摂るようにしましょう、とされています。ととのう2.0の「水分補給」のステップと同じ考え方です。
また、浴室に入る前に貴金属などは外し、ロッカーのカギ(バンド)は金属部分が肌に触れないようにする、とされています。金属製の装飾品やカギが肌に触れた状態でサウナに入ると、金属部分が高温となりやけどをするおそれがあるためです。
シャワーを浴びてから
コメントでは、サウナ室に入る前にシャワーで体を流しましょう、とされています。サウナ室を清潔に保つマナーとして汗や汚れを落とすだけでなく、熱さに体を徐々に慣れさせる意味もある、と説明されています。
ととのう2.0のよくある質問
水分はどのくらい飲めばいい?
協会のページでは、サウナに入る前と出た後に、200ml程度を基準としたこまめな水分補給を行い、トータルとして発汗量を上回る水分量を摂ることが大切だ、とされています。
水風呂が苦手なら?
消費者庁のリリースでは、無理に水風呂に入る必要はなく、サウナ浴と外気浴を交互に行うなどの入り方も検討しましょう、とされています。
飲酒後は入っていい?
消費者庁のリリースでは、「飲酒後にサウナ浴をする」ことが、事故が起こる可能性のある危険な入り方の一つとして挙げられています。
ととのう2.0で安全にサウナを楽しもう
ととのう2.0は、「水分補給→サウナ室→水風呂→休憩」を1セットとする、日本サウナ・スパ協会の新しいルーティンです。消費者庁が呼びかけている、体を温度に慣らすこと、無理をしないこと、異変を感じたら知らせることと合わせて、自分の体調に合った入り方を見つけてください。